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サタンと貧しき娘 [ハーレクインPB]




■★★★☆☆
<概要>
バーバラは財布に残るわずかなペニー硬貨を数えて、ため息をついた。
工場で働く父がけがをして以来、家計はますます苦しいというのに、
ハンサムだが冷酷な実業家と噂の新しい工場主ジョゼフは、
効率のために、村人たちから仕事を奪おうとしていた。
ある日、ジェゼフに抗議する労働者の暴動に巻き込まれたバーバラは
地面に倒れかけたとき、颯爽と現れたジェゼフに抱きとめられる。
なんて美しい人。本当に彼が血も涙もない悪魔(サタン)なの?
一瞬で彼女の心を奪ったジェゼフはしかし、この救出劇を利用して
鮮やかに暴動を集束させたかと思うと、硬貨をばらまいて人々を侮辱し、
豪華な馬車で意気揚々と屋敷へ去っていった。
サタンに恋などしてはいけない。そう自分を戒めるバーバラだったが・・・・・。

<感想>
可もなく不可もなく。
と言うか、内容がまんま『クリスマス・キャロル』?
労働者の意見に耳を傾けず、合理主義街道まっしぐらなヒーローに、クリスマスの不思議な力が3人の幽霊を遣わし、良くも悪くも夢を見せる。
遠い過去、近い過去、現在、未来。
遠い過去で今の自分の成り立ちを見、近い過去に今の自分がし忘れている何かと無邪気なヒロインを見、現在に自分の周囲に渦巻く負の感情と現実を見、近い将来になり得る自分と、ヒロインの境遇を見る。
3人の幽霊はヒーローに何も強制はしていない。
改心するもしないもヒーローの心次第だと、見せるだけ見せて消えていく。
で、最後の数ページで改心して、親友には自分の婚約者と屋敷を譲り、村人には
施しを、ヒロインには求婚をする。
いやもう・・・本当に可もなく不可もなくだった。
特に印象に残ったと言う訳でもないけど、最初の幽霊に連れられて過去を覗きに
いったヒーローが、翌朝、目覚めたのが廊下だったと言うことに、ちょっと失笑。
産業革命の頃の話しなので、元貴族の屋敷の様相は多少現代に近いものだろうとは思うけどw
セントラルヒーティングなんて機能はないだろうからw
19世紀前後のクリスマスの頃の廊下は寒いだろうなぁ~w?
一歩間違えたら凍死だろうなぁ~w?
とか、うっかり思ってしまってw
なんとなく、つっこみどころを捜しながら読んでいた気がするw

2015年11月5日発行

あ・・・これ、5日発行のヤツなのかw
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シンデレラと聖夜の奇跡 [ハーレクインPB]


シンデレラと聖夜の奇跡 (ハーレクイン・ロマンス)

■シンデレラと聖夜の奇跡
■作:ルーシー・モンロー
■訳:朝戸まり
■★★★☆☆



<概要>
弟の学費を工面できずに苦悩していたオードリーは、
仕事の休憩中に上級秘書たちの会話を偶然耳にして唖然とした。
若くして巨万の富を築き上げたヴィンチェンツォ・トマジ―――
エキゾチックな黒髪、地中海のように美しい青色の瞳、
そして映画スターのように見事な体躯を持つ完全無欠のCEOが、
義理の子供のため、母親役を務める女性を雇おうとしているなんて。
ずっと秘かに憧れていた彼の元で、幼い子供たちの世話をする・・・・。
それで弟が進学できるのなら、もう私が欲しいものなど何もないわ。
ところが面接に臨んだオードリーに、ヴィンチェンツォは言った。
「母親だけじゃない。僕の妻を演じるのも仕事だ―――昼夜を問わずね」

<感想>
可もなく不可もなくw
シチリア人気質のヒーローだから、もっと強引にヒロインを巻きこんで行くのかと思いきや、むしろ、そんな気質のヒーローを上手に転がすヒロインの手腕が光る話しだった気がする。
ヒロインは儚さも弱さもなく、しっかりと地に足を付けていて、勤務先のCEOだろうと決して怯むことはない。
子供たちの母親を金で買おうとしているヒーローに、弟の学費の為と秘かな恋慕に後押しされてその候補者として名乗りを上げながらも、金で母親役を引き受ける者が必ずしも子供に愛情を注いでくれることはないし、婚前契約で諸々制約が設けられれば、20年我慢するとも限らないと、計画の甘さを指摘する。
やり手のCEOであるヒーローの周囲にはイエスマンばかりで、短い付き合いの女性たちは富にへつらうばかり。
決して反論されることはない立場に長くいたせいで、ヒロインからの反論は新鮮で、打てば響くような会話に楽しさすら感じてしまう。
更に性的興奮まで掻き立てられて、母親とするための便宜結婚の計画が、ヒロインなら自分の妻としてベッドの相手を務めて貰うのもやぶさかではないとw
そんなほのめかしに驚いたヒロインは『私はヴァージン』と言う印籠を突きつけ、ヒーローが怯むことを期待したがw
怯むどころかむしろ高感度アップw
意識的にか無意識か、子供たちはともかく、養育係や執事をあっという間に懐柔してしまうヒロインの対人スキルが驚異的w
12歳にしてゲイ宣言して親に絶縁された弟(ゲイを理由に12歳で家から叩き出され絶縁されるって、ゲイ界では良くあることなんだろうか? それにしても12歳の子供を叩き出す親って・・・)を庇護することで共に親に絶縁されたヒロインの母性本能は、見る人が見れば、わかるものなのかもしれない。
そこはかとなくにじみ出てくるんだろうね。
そんなヒロインに溺れていくヒーロー。
コントロールが利かない状態になってヒーローが恐れおののいた時、良く見かける方向に進むのかと思ったけど、ヒロインが隠していた応募動機のもう一つの理由を語った時、あっさり抵抗をやめ陥落w
その後のヒーローの行動は、ヒロインやヒロイン弟への慈しみに溢れていた。

もう一度いう。
本当に可もなく不可もないけれど、年の瀬の、クリスマスを前にして読む作品としては、爽やかで読後感に嫌味なところはなく、ほっこりという言葉が当てはまる良作ではあったと思うw

2014年12月20日刊
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誰もいないはずの聖夜に [ハーレクインPB]


誰もいないはずの聖夜に (ハーレクイン・プレゼンツ スペシャル)



■誰もいないはずの聖夜に
■作:サラ・モーガン
■訳:琴葉かいら
■★★★★★


<概要>
離婚した両親に捨てられたのは、13歳のクリスマスの朝だった。
以来ケイラは、寂しさが募るこの季節が大嫌いだった。
今年はどうやり過ごそうかと、仕事中も暗い気分で思案していると、
思いがけずも、上司から休暇返上の出張命令が下された。
新しいクライアントから、条件つきで仕事の依頼があったというのだ。
“1週間うちのリゾートに滞在して、キャンペーンを企画してほしい”と。
浮かれ騒ぐ街から逃げ出す、またとない口実だわ。ケイラは快諾した。
雪に埋もれたコテージで、クリスマスが終わるまで隠れていよう。
リゾートのオーナー、ジャクソンがどれだけハンサムだろうと、
仕事に没頭するケイラにはなんの支障もないはずだった。
当のジャクソンは、まったく逆の考えを抱いていたとしても。


<感想>
久々にサラ・モーガンの秀作を読んだ気がする。
ぶっちゃけると『楽園にとらわれて』以来だなw
思春期に足を踏み入れた頃、一年に一度、家族の仲を再確認する筈の
そんな日に親が離婚して、それまでの家族像が偽りであったことを思い
知らされたヒロインが負った心の傷。
両親に必要とされず、つき放されて、捨て置かれた日々。
必要以上に他人と関わりを持つことを拒み、仕事オンリー人間に成長したヒロインにとって、仕事をしていれば忘れていられた過去の傷を疼かせるのがクリスマス。
それは親に放棄された日。
12月に入れば世間はクリスマス商戦に賑わい、職場も周囲もそれに託けてパー
ティー三昧。
ヒロインの職場も例に漏れず、クリスマスの装いとその日を待ちわびる話題が飛び交う。
嫌悪するクリスマス行事にヒロインを連れ出そうとする同僚のあの手この手を掻い潜る時の戦々恐々っぷり。
そんなクリスマス行事から逃れられる千載一遇のチャンスを上司から提供され、
ヒロインは嬉々として真冬のリゾート地に赴いた。
よもやそこに、クリスマス行事を全力で楽しむ一家がいるとは思いもせずw
真冬のリゾート地で家族経営の宿泊施設にクリスマス。
それだけで、普通に考えれば、施設はイルミネーションに彩られ、クリスマスツリーがドォーンと鎮座している光景が目に浮かぶのにw
ヒロインはそこに思い至らなかったんだからビックリだw
ヒロインに課せられた使命は、赤字経営で倒産寸前の宿泊施設の稼働率を上げる広告を展開すること。
満を持して最初のプレゼンに挑んだヒロインだったけど、家族経営の会議室は代々受け継がれてきた使い込まれたキッチンで、そこに集ったのは、経営方針で対立していても、間違いなく愛情と言う名の絆で結ばれた家族。
頑固な祖父。
強引なところのある祖母。
母性の塊のような母。
やんちゃなまま成長した金メダリストの末息子。
そこに放り込まれ、傷口を抉られたヒロインはパニックを起こしてまともにプレゼンもできず敗走w
リゾート地自体が一つのユニットで、周囲に気心が知れている気安さの中で生活してきた住人たちは、お構いなしにヒロインが敷いた一線を越えてくる。
その強引さは親に見捨てられ、私的関係向けの対人スキルを養うことなく過ごしてきたヒロインには相容れない行動であり、その対処方法がわからず圧倒されてしまう。
そんなヒロインのクリスマスや家族団らんに対する恐怖に最初に気づいたのはヒーロー母。
子供に惜しみない愛情を注ぐ母親だからこそ気づき、以降、家族のエゴからヒロインをさりげなく守ろうとしてくれるが、そんな気遣いという名の垣根を、ヒーロー祖母がなぎ倒すw
漸く心の扉から片目を覗かせ始めたヒロインに対して、祖母がクリスマスツリーという爆弾を投下w
ヒーローが心の中で頭を抱えて『Noooooo!!』と叫ぶさまが思い浮かぶほど、見事にパトンっとヒロインの心の扉が閉ざされるw
開きそうになっては閉じるの繰り返しw
ヒーローが、自身の圧倒的な魅力と大自然の揺るぎない魅力とでヒロインを篭絡するさまもある意味爽快ではあった。
大自然の厳しさと寛容、ヒーローとその周囲の他人への寛容。
この波状効果は、滞在一週間でヒロインの心の傷を癒してしまえるほどのパワーを持っていた。
それだけにワーカホリックで対人スキルの乏しい自分はヒーローやその家族に相応しくない。
ロマンティックな演出つきでプロポーズされながら、それを断り、自分の本来の居場所に戻るべく帰路につく。
タクシーの背後に遠ざかる家。
自分の家に帰ろうとしているのに、まるで自分の家から離れて行くような寂しさを
覚えて、そして悟る。
自分がいるべき場所はここなのだと。
生まれた瞬間から、実はありはしなかった家族をヒロインは漸く手に入れることができて、その家族の粋な計らいで、ロマンティックなハッピーエンドで終わっている。
ちょっとこっ恥ずかしいけれど、大自然に囲まれ、厳しい冬を過ごす地域ならではの暖かいエピソードとして語り継がれそうな終わり方だったw
思わず『にや』っと顔が綻んでしまったよw

クラシカル並のページ数で読み応えがあり、何より、物語が展開する大自然の冷気と耳が痛くなるような静寂が行間から伝わってきて、翻訳者の力量を見た気がした。
原作者と翻訳者の見事なコラボだったので、惜しみなく★5をつけてみた。

2014年11月20日発行
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